社会保険労務士の業務
1.事務代理・代行【第1号業務…事務代理・手続き代行 】
事業主に代わって労働社会保険官公署等への書類を提出する等手続きができる。
各種書類には社会保険労務士の記入欄があります。
◇手続関係
労働・社会保険の加入・脱退
労働保険の年度更新(毎年5月)
社会保険の算定業務(毎年7月)
◇保険給付・申請関係
事業主の労災保険特別加入
労働保険の保険給付、年金の請求
雇用関係給付金等の申請
各種助成金の申請〔※〕
( 例:労働基準法、労災保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、介護保険法などに基づく、申請、届出、審査請求、異議申立て、再審査請求、休業補償、出産育児一時金、出産手当金、傷病手当金などの請求 )
〔※〕各種助成金申請…雇用保険三事業に基づく助成金等
新規・成長分野雇用創出特別奨励金((財)高年齢者雇用開発協会)、中小企業雇用創出人材確保助成金(雇用・能力開発機構)、中小企業雇用創出雇用管理助成金(同)などの支給申請
2.書類作成【第2号業務…書類作成】
労働基準監督署・公共職業安定所(ハローワーク)・社会保険事務所・その他へ提出する書類を事業主に代わり作成いたします。
〈労働基準法関係〉
正社員・準社員・臨時社員・パートタイマー・アルバイトなど名称に関わらず、従業員を一人でも使用する事業所は全て労働基準法が適用され、法律により各種の帳簿・書類を整備が義務づけられます。又、労働基準監督署その他に届出書・報告書を提出しなければなりません。
就業規則、賃金・退職金規程、労働者名簿、賃金台帳
〔諸規定作成〕
労働社会保険法令に関わる諸規定の作成。
就業規則、給与規程、慶弔規程、退職金規程、育児・介護休業規程、安全・衛生管理等。
労働基準監督署等への提出もあわせて行う。
3.相談指導【第3号業務…相談・コンサルティング】
これまでのわが国の慣行であった終身雇用・年功序列制が終焉を迎え、従業員個々の能力を十分に引き出すことのできる人事・賃金体系を求められる時代になり、従業員の定着性を維持し、労働生産性の向上を図るためには、労務管理の近代化が必要です。人事・賃金・教育訓練・労使関係・労働協約などの労務管理を行う上での問題について相談に応じ、適正な指導を行う。
◇コンサルティング関係
雇用・人事・賃金・労働時間・人間関係・労使関係などの管理
教育訓練、企業福祉、労務計画、労務監査など
個別労使紛争の事前防止や解決
例:賃金、退職金、労働時間、福利厚生、年金、採用、人事、賞与、定年、教育訓練、能力開発
安全衛生管理など
◇労働条件・環境関係
労働条件の整備
労働環境の改善
労使関係の助言
就業規則の作成
例:就業規則、賃金・退職金規程、労働者名簿、賃金台帳などの作成・整備
◇労働安全・衛生関係
安全管理の対策・衛生管理の対策
4.その他
◇給料計算関係
給与計算事務の受託 ・監査・指導
◇その他
ここでは省略しておりますが、もちろん、国民年金・厚生年金保険・共済年金や医療保険に関する事柄も範囲内です。
勤務社会保険労務士としての役割
・勤務社会保険労務士
周知の通り、企業において社会保険に関して、或いは人事・労務管理の業務を行うのは総務課・人事課などです。この業務の遂行にあたり、企業内にスペシャリストとして勤務社会保険労務士がいると、これらの社会保険・労務管理事務や行政への手続きがスムーズに行うことができると考えます。また、厚生労働省管轄の官公署の監査の際、企業内(組織内)において労働に関する問題が発生したとき、新しい人事制度を導入したいとき、就業規則を改正したいとき等、勤務社労士に助言を乞うことや、解決を促すこができると考えます。
また、これは多大なスキルが必要であり、社労士なら誰もができるというわけではありませんが、平成15年4月に認められた新たな独占業務として、労働局の「紛争調整委員会」のあっせん代理人として業務を受託することができるようになりました。労働局では、職場でのトラブルを、裁判ではない解決方法を推奨しており(裁判外紛争解決・ADRといいます)、この個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づく「あっせん」に関する代理申請を社会保険労務士が行うことができます。
歯科医師会事務局としてみた場合、20人足らずの職場で、しっかりとした会計(含:給与・社会保険諸手続き業務)担当がおり、事業所(事務局)自体には社会保険労務士の必要性はあまりないかもしれませんが、県下800人を超える(開業、或いは勤務)会員、又は労働保険事務組合(労働保険関連事務代行:委託=約310会員)を所持している団体であること、医療管理委員会、医療対策委員会、社会保険委員会等の事業を鑑みた場合、お役立てできる場面もあるのではないかと考えております。
社会保険労務士は、前述の項目(第1〜第3業務)を基本として、別紙のような諸法令に関与することが可能となります。開業社会保険労務士と比較するとどうしても経験・スキルが乏しいものですが、知識についてはある程度カバーできると考えております。ただの社会保険労務士有資格者としてではなく、社会保険労務士会に入会し社労士登録をすることにより、勤務社会保険労務士として関わることができたらと思います。 ご一考いただけましたら幸いです。
【参考】
社会保険労務士法 第1条〜3条、第14条の2
(目的) 第1条
この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もつて労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする。(社会保険労務士の職責)第1条の2 社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。
(社会保険労務士の業務) 第2条
社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。
1.別表第1(※)に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて申請書等(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、異議申立書、再審査請求書その他の書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識できない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。)をいう。以下同じ。)を作成すること。
1の2.申請書等について、その提出に関する手続を代わつてすること。
1の3.労働社会保険諸法令に基づく申請、届出、報告、審査請求、異議申立て、再審査請求その他の事項(厚生労働省令で定めるものに限る。以下この号において「申請等」という。)について、又は当該申請等に係る行政機関等の調査若しくは処分に関し当該行政機関等に対してする主張若しくは陳述(厚生労働省令で定めるものを除く。)について、代理すること(第25条の2第1項において「事務代理」という。)。
1の4.個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成13年法律第112号)第6条第1項の紛争調整委員会における同法第5条第1項のあつせんについて、紛争の当事者を代理すること(以下「あつせん代理」という。)。
2.労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含み、申請書等を除く。)を作成すること。
3.事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること(労働争議に介入することとなるものを除く。)。
《改正》平10法49 《改正》平11法160 《改正》平14法152
《改正》平14法116 《改正》平16法1502
前項各号に掲げる事務には、その事務を行うことが他の法律において制限されている事務並びに労働社会保険諸法令に基づく療養の給付及びこれに相当する給付の費用についてこれらの給付を担当する者のなす請求に関する事務は含まれない。
(資格) 第3条
次の各号の一に該当する者であつて、労働社会保険諸法令に関する厚生労働省令で定める事務に従事した期間が通算して2年以上になるもの又は厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるものは、社会保険労務士となる資格を有する。
1.社会保険労務士試験に合格した者
2.第11条の規定による社会保険労務士試験の免除科目が第9条に掲げる試験科目の全部に及ぶ者
2 弁護士となる資格を有する者は、前項の規定にかかわらず、社会保険労務士となる資格を有する。
(登録) 第14条の2
社会保険労務士となる資格を有する者が社会保険労務士となるには、社会保険労務士名簿に、氏名、生年月日、住所その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。《改正》平11法160
2 他人の求めに応じ報酬を得て、第2条に規定する事務を業として行おうとする社会保険労務士(社会保険労務士法人の社員となろうとする者を含む。)は、事務所(社会保険労務士法人の社員となろうとする者にあつては、当該社会保険労務士法人の事務所)を定めて、あらかじめ、社会保険労務士名簿に、前項に規定する事項のほか、事務所の名称、所在地その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。《改正》平11法160 《改正》平14法116
3 事業所(社会保険労務士又は社会保険労務士法人の事務所を含む。以下同じ。)に勤務し、第2条に規定する事務に従事する社会保険労務士(以下「勤務社会保険労務士」という。)は、社会保険労務士名簿に、第1項に規定する事項のほか、当該事業所の名称、所在地その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。
別表第1(第2条関係)(※) 社労士関わる(ことができる)諸法令
1.労働基準法(昭和22年法律第49号)
2.労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)
3.職業安定法(昭和22年法律第141号)
4.雇用保険法(昭和49年法律第116号)
5.労働保険審査官及び労働保険審査会法(昭和31年法律第126号)
6.独立行政法人労働者健康福祉機構法(平成14年法律第171号)
7.職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)
8.駐留軍関係離職者等臨時措置法(昭和33年法律第158号。第10条の2の規定に限る。)
9.最低賃金法(昭和34年法律第137号)
10.中小企業退職金共済法(昭和34年法律第160号)
11.国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法(昭和52年法律第94号)
12.じん肺法(昭和35年法律第30号)
13.障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)
14.独立行政法人雇用・能力開発機構法(平成14年法律第170号)
15.激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和37年法律第150号。第25条の規定に限る。)
16.労働災害防止団体法(昭和39年法律第118号)
17.港湾労働法(昭和63年法律第40号)
18.雇用対策法(昭和41年法律第132号)
19.炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法(昭和42年法律第92号)
20.労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)
20の2.家内労働法(昭和45年法律第60号)
20の3.勤労者財産形成促進法(昭和46年法律第92号)
20の4.高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)
20の5.沖縄振興特別措置法(平成14年法律第14号。第78条及び第81条の規定に限る。)
20の6.労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)
20の7.作業環境測定法(昭和50年法律第28号)
20の8.建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和51年法律第33号)
20の9.賃金の支払の確保等に関する法律(昭和51年法律第34号)
20の10.本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和56年法律第72号。第16条(第18条の規定により読み替える場合を含む。)及び第20条の規定に限る。)
20の11.労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)
20の12.地域雇用開発促進法(昭和62年法律第23号)
20の13.中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律(平成3年法律第57号)
20の14.介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成4年法律第63号)
20の15.労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法(平成4年法律第90号)
20の16.短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)
20の17.育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)
20の18.林業労働力の確保の促進に関する法律(平成8年法律第45号。第13条の規定に限る。)
20の19.雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号)
20の20.個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律
21.健康保険法(大正11年法律第70号)
22.船員保険法(昭和14年法律第73号)
23.社会保険審査官及び社会保険審査会法(昭和28年法律第206号)
24.厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)
25.国民健康保険法(昭和33年法律第192号)
26.国民年金法(昭和34年法律第141号)
27.年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律(平成12年法律第20号)
28.石炭鉱業年金基金法(昭和42年法律第135号)
29.児童手当法(昭和46年法律第73号)
30.老人保健法(昭和57年法律第080号)
31.介護保険法(平成9年法律第123号)
32.前各号に掲げる法律に基づく命令
33.行政不服審査法(前各号に掲げる法令に係る不服申立ての場合に限る。)